中国ビジネスで生き残るための5つの鉄則 経済失速で高まるリスクを避けるには?

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第2条「経済合理性を優先したビジネスに特化せよ」

「郷に入れば郷に従え」で「政治談議よりも金儲けが大事」なのだから、政治話に頭を突っ込まないこと。歴史問題や靖国問題の話題が出たとしても、「私は戦後の生まれですからわかりません」と相手にしないほうが、もめなくてよい。

ビジネスの交渉では、けんかになっても「カネで解決」できるが、政治の世界では後を引く。「見ざる、言わざる、聞かざる」に越したことはない。まして反日運動や少数民族問題に義憤を感じて口出ししても、一銭の得にもならない。「触らぬ神に祟りなし」と割り切ること。

第3条「信頼しても信用するな」

理解しがたいかもしれないが、中国では「だまされるやつが悪い」と考えるのが一般的である。日本人の多くは交渉嫌いで相手を疑うことを知らない環境で育ってきているので、中国で日本にいるのと同じように振る舞っていると危険極まりない。日本人の道徳意識は通用しないのである。

日本人には「信頼関係至上主義」とみられる一面があり、「何でもOK」となりやすい。しかし、経済環境が変われば取引条件を見直すのが当たり前。仲のよい友だちだからといって「何でもOK」とせずに、「ビジネスはビジネス」と割り切ってシビアに対応すること。

バブルが本格的に崩壊しているのに「相手を信用して従来と同じ条件」でビジネスを続けて事故にあったとしても、「だまされるやつが悪い」と切って捨てられるだけ。信頼していた相手を恨んでも「覆水盆に返らず」である。

第4条「現場、現物、現実を旨とすべし」

3現主義による第1次情報に徹すべしということだ。トラブルで多いのは、「間接情報を鵜呑み」にして、思い込みで商売をするケース。私も幾度となく経済事故や詐欺事件に巻き込まれてきたが、3現主義に徹していればいずれも回避できたトラブルだった。

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