伊勢丹「スーツ2着5万4000円」が売れるワケ 安いだけでは売れなくなった
10月7〜13日の期間、伊勢丹新宿本店では「紳士ファッション大市」を開催している。実はこの催事、社員でもいつから行われているか分からないほど、歴史の長いイベントだ。
その規模も大きい。「1週間で6億〜7億円、8000着を売り上げる最大の催事」(伊勢丹新宿本店紳士・スポーツ営業部セールスマネージャー・太田陽介さん)だ。
毎年2回、5月と10月にいずれも1週間ほどにわたって開催されるこのイベントに合わせて用意された商品が売り出される。スーツであれば、「伊勢丹メンズ館」で10万円ほどで提供している品が4万〜5万円で売りに出される。本館の5会場に豊富な品数を揃えて行う一大イベントである。
目玉は「2着5万4000円」のスーツ
今年は、そこに目玉商品が登場した。5月に初投入し大ヒットを記録した、2着よりどり5万4000円の高コスパスーツだ。「期間中での消化率が全体で70%、3種類のうち人気のイタリアンモデルでは90%と、いわゆる『吊るしのスーツ』としてはあり得ない業績でした」(太田さん)。
素人には分かりにくいが、サイズが16種類もあるスーツにおいて、限られた期間中での9割販売というのは驚異的な数字のようだ。なかには50%も行かない商品もあるのだという。
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