JR西日本、「大阪駅リベンジ」の仕掛けとは? コンセプトは「百貨店と専門店の融合」

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もとは三越伊勢丹だったルクア イーレ(LUCUA 1100)。専門店と合体しての再出発で、消費者を引きつけられるか(撮影:梅谷秀司)

西日本旅客鉄道(JR西日本)が、本丸の大阪駅でリベンジに動き出した。鳴り物入りで2011年に開館し、売り上げ不振で昨年閉店に追いこまれたJR大阪三越伊勢丹。それが新たに「ルクア イーレ」として生まれ変わったのだ。

4月2日の開業初日は、開店前から2000人が行列を作る大賑わい。隣の専門店ビル「ルクア」と合わせて32万人が来館し、まずは上々の滑り出しだったといえるだろう。

先に開業したルクアは好調

大阪駅は2004年から再開発がスタート。駅の改良工事に加え、南北にあるターミナルビルも改築し、2011年に「大阪ステーションシティ」としてグランドオープンした。南側の「サウスゲートビルディング」には大丸、JR西日本系の「ホテルグランヴィア大阪」が入居している。北側の「ノースゲートビルディング」は東西2棟の建物で構成されており、東館はファッションを中心とした専門店ビル「ルクア」、西館には「三越伊勢丹」が配置された。

ルクアとは「Look up(見上げる)」と「歩く」を組み合わせた造語。ルクアはJR西日本グループが管理・運営しており、当初計画では年商260億~270億円を見込んでいた。だが、フタを開けてみれば年商は350億円に。駅直結という地の利を生かし、予想を上回る好調ぶりを見せている。

問題は西館だ。当初、西館には、もともと三越が入る予定だったが、「三越伊勢丹」に変わった経緯がある。2008年に三越と伊勢丹が統合され三越伊勢丹ホールディングス(HD)になったためだ。通常、三越と伊勢丹は店舗展開を別々に行っているが、初めて「三越伊勢丹」という融合ブランドとして出店。JR西日本と三越伊勢丹HDの合弁会社であるJR西日本伊勢丹が運営を担った。

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