"矢"ではなく"的"が出てきた
渋澤:今日(注:9月29日)、藤野さんはレオス・キャピタルワークスの代表取締役社長CIO(最高運用責任者)に就任されました。
中野:ということで、非常におめでたい日ではあるのですが、そんな日に日経平均株価は700円以上の下げ。また、9月24日に安倍首相が発表した新3本の矢という名の「ニッポン1億総活躍プラン」は、何というか、本当にこれでいいの?という内容だと思っているのですが。
藤野:ビックリした。目からウロコではなくて、目そのものが落ちたって感じでした。まさか、あんなにひどい内容のものが出てくるとはねぇ。
渋澤:僕は逆に何とも思わなかったというのが、正直な気持ちです。安保法制でゴタゴタして支持率も下がったので、すぐに経済へ焦点を当てた何かを出してくると思っていたので。TPP交渉を成立させるには相手国の意向があるから、政府側が早期に出せるものはこの程度だったということではないでしょうか。
藤野:これ、矢というよりも的ですよね。「強い経済」、「子育て支援」、「社会保障」はいずれも目標なのに、なぜか手段として出てきた。
中野:誰が書いたのでしょう、これ。
藤野:少なくとも官僚ではありませんね。官僚は頭がいいから、的と矢を取り違えたりはしません。まあ、新3本の矢が発表された直後、シカゴで日経平均先物が300円くらい下げましたから、株価としてはネガティブだったのでしょうね。
渋澤:数カ月も経ったら誰も話題にしなくなると思いますよ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら