安倍首相の「女性活用促進」は中途半端過ぎる

大企業の義務は目標の設定と公表だけ

日本の女性の正社員は、一般的に男性の同僚より給与水準が低い(写真:xiangtao / PIXTA)

大企業の女性管理職登用を促進することをうたった法律が、8月28日に日本の国会で可決された。

安倍晋三首相は2020年までに企業の指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げたいと発言している。しかし、法律には数値目標が定められていない。大企業の義務は、目標を設定し公表することだけだ。低い目標を設定する企業あるいは目標未達企業への罰則はない。「3本目の矢」改革のほかの多くの施策と同様、設定したのは聞こえのいい目標だけで、それを達成するための戦略は何一つない。

しかも、適用されるのは従業員が300人を超える企業だけだ。全会社員の30%にすぎず、50~64歳の社員で管理職になれるのはそのうちの14%だけだ。30%の14%は、わずか4%になる。残りの96%に含まれる女性はどうなるのか。

掛け声倒れの伝統

マタハラ(マタニティハラスメント)に関する最高裁判所訴訟を支援した小酒部さやか氏は、「管理職に就く少数のエリート女性よりむしろ、私たちのような末端にいる女性に影響する問題を取り扱ってほしい」と語っている。

女性の平等を標榜する首相は安倍氏が初めてではない。1994年、首相を本部長とする男女共同参画推進本部が内閣に設置された。1996年には、同本部による決議に基づき、政府は「2000年度末までに政策決定過程における女性の参画率20%を達成する」と発表している。

現在、政府でシニアマネジメント職に就く女性の割合はわずか1.7%にとどまる。これは企業でシニアマネジメント職に就く女性の割合である3%よりも低い。

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