英語の落とし穴は「中学レベル」にあった! うっかりでは済まない、大誤解を招くことも

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「あ、この英語表現はまずい」と思った筆者は、すかさず日本語で「給湯室はどちらですか」とフォローしました。すると、女性はにこりと笑って、給湯室まで連れて行ってくれました。なんと、セキュリティーカードで扉をひとつ開けた先にあったのです。「いつも2階のこの扉は開け放してあるんですけど、誰か閉めちゃったんだと思います」と言うと、その女性はドアストッパーをかけました。

何が気に食わないのですか?

親切な女性が去ったあと、ジェーンが「びっくりした」と笑っていました。What’s your problem?というのは、文字通り訳すと「あなたの抱えている問題は何ですか?」になりますが、通常「何か問題でも?」「あなた、何が気に食わないの?」とか、「頭大丈夫?」というようなニュアンスで使います。いらいらした感じや怒っているような感じに聞こえるので注意が必要です。

「どうしたの?」と尋ねるのであれば、What’s the problem?にしましょう。1語の違いで大きくニュアンスが変わるんです。ただし、このWhat’s the problem?も同様に、「それの何が問題なの?」という攻撃的な意味もありますので気をつけましょう。

同じようなフレーズで、What’s wrong with you? What’s the matter with you?というのがあります。どちらも「どうしましたか?」と相手の問題を尋ねる質問ですが、What’s your problem?のように「何か文句ある?」「頭おかしいんじゃないの?」というようなニュアンスになることもあります

イントネーションで使い分けられると思いますが、不安な方は「どうしましたか?」と言いたいときには、with youを付けずに、What’s the matter?やWhat’s wrong?と言った方が誤解されなくて良いと思います。

筆者は生徒たちにはこれらの表現は誤解されることもあるので、Are you okay? Are you all right?「大丈夫ですか」を使うように教えています。先ほどの女性であれば、How can I help you?「何のご用ですか」やCan I help you?「何かお困りですか」のような表現を使っても良いでしょう。せっかく気遣って心配したのに、「何怒ってるの?」とか「喧嘩売ってるの?」なんて勘違いされたら悲しいですものね。

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