「笑点」で人気、春風亭昇太「人前で話す」技術 春風亭昇太師匠✕魚住りえ「トークライブ」1

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アナウンサーの魚住りえさん

昇太:緊張をほぐす方法はひとつだけ、それは「ウケる」ってことです。それしかありません。

魚住:まず「笑いをとる」わけですか?

昇太:そうそう。とりあえず、なるべく早くウケて気持ちを落ち着かせようとしていますね。でも、笑ってくれない人っているんです。「この人、なぜ落語会に来てるんだろう?」と思うような人。腕組みしちゃって斜めから見てる人が、必ずいるんですよ。

「反応が一番悪い人」に向って話しかける

魚住:落語会は「全員笑うために行くもの」と基本的には思うのですが、たしかにムスッとして、にらみつけるように聞いている「笑わないお客さん」っていますよね……。

昇太:そういうときは、この会場で「一番笑っていない人」に向けてあえてしゃべるんですよ。

魚住:それは意外ですね。てっきり「反応がいい人」に向けて話すとばかり思ってました。

春風亭昇太師匠

昇太:なぜかというと、不思議なもので、人間って話かけられると、どうしても反応してしまうんですよ。「自分に向けて話している」と思うと、それまで腕を組んで聞いていた人も、だんだんと腕組みをといていくんです。

魚住:「自分に話しかけてくれた、話を聞かなきゃ」というふうにもっていくわけですね。「一番反応が悪い人に向って話す」というのは、一般の人もプレゼンやスピーチで使えるワザですね。

立食パーティのあいさつは「前の人」から攻める

昇太:うちの師匠の春風亭柳昇がよく言っていたのは、「立食パーティ」で話をするとき。立食パーティなんて、お酒を飲んでるは、ご飯を食べているはで、「話を聞いてもらう環境」としては最悪ですよね。

魚住:ざわざわしていて、あいさつしても誰も聞いてないとか。

昇太:そういうときにどうするかというと、「一番前の人から」話しかけていくんですよ。

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