なぜ銀行は地方の企業にカネを貸さないのか

地方創生に必要なのは、地元金融機関の力

地方創生サミットでは小泉進次郎政務官も登壇。「民間の力を結集した地方再生」に熱い期待を寄せた(撮影:今祥雄)
なぜ地方では、新しいビジネスが育ちにくいのか。あまり大きく報道されないが、「最大の問題」はやはりおカネだ。
新しい商品やサービスをもとに起業したい地方のベンチャー企業にとって、最大の難関は、どうやって金融機関からおカネを借りるかだ。素晴らしいアイデアがあっても、融資を受けられなければ、絵に描いた餅になる。
もちろん、最近では、資金調達手段は多様化している。だが、資金調達の基本は、やはり銀行融資。どうすれば、銀行融資を得られるのか。また、銀行側はどう対応すべきなのか。ここでは今回は8月28日の「地方創生サミット」(東洋経済新報社主催)で大人気だった講座「金融が変える、地方の事業型まちづくり」で行われた議論を取り上げたい。地方創生における銀行の重要な役割が明らかになるはずだ。

銀行の「貸し渋り」には、ワケがある

銀行の融資は本当に「ハードルが高く」、かつ「貸し渋りもひどい」のだろうか。確かに、事業計画書を持って銀行融資をお願いしても、なかなか決済が下りないという話は、あちこちで耳にする。

しかし、それはすべて銀行のせいなのだろうか。そもそも銀行も、将来性の高いビジネスには資金を出したいと考えている。

投資銀行家のぐっちーさんは、なぜ銀行の決裁が簡単に下りないのかを丁寧に説明。地方のベンチャー企業育成にいかに金融の果たす役割が重要かも訴えた。また、広島カープファンでもあるぐっちーさんは、カープが地方創生の一大成功モデルということも解説。参加者は熱心にメモをとっていた

国内金融機関の預貸率は、最も高い第二地方銀行で約73%。最も低い信用金庫になると約50%まで低下している。預貸率が低いのは、それだけ預金を通じて集めた資金の貸出先に困っている証拠だ。

優良なベンチャー企業の輩出は、金融機関としても望むところだろう。それなのに、なぜ「銀行融資はハードルが高い」というイメージが定着しているのだろうか。

投資銀行家として、多くのベンチャー企業の資金調達戦略についてもアドバイスしているぐっちーさん(山口正洋氏)は、「高い技術力を持ち、将来性があり、明るい見通しを持ったビジネスであるにもかかわらず、融資決裁が下りないケースは少なくない。なぜなら、銀行は事業の将来性だけを見ているわけではなく、その経営者が事業のリスクをしっかり理解しているかどうか、という点も厳しく見ている」という。

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