米国の株離れをもたらす構造変化の正体

フィデリティ・インベストメンツ資産運用部門社長

米国の株離れをもたらす構造変化の正体を語ろう--フィデリティ・インベストメンツ資産運用部門社長 ロナルド・P・オハンリー

激しい変動が続く米国の株式市場。一時1万3000ドル台をうかがう勢いだったダウ平均は、今年7月に急落した。その後、若干持ち直したものの、現在も欧州債務危機に振り回される展開が続いている。米国の株式市場に起きている構造変化とは何か。

世界最大の投資信託会社、フィデリティ・インベストメンツで資産運用・法人向けサービス部門の社長を務める、ロナルド・P・オハンリー氏に聞いた。

--あなたは、米国の投資家たちは米国株を見捨てつつあると指摘し、これを現在の不況による景気循環的な傾向ではなく、長期的な傾向ととらえている。

景気循環的な傾向とは、投資家が好景気のときには株式を購入し、不景気のときには買わないということだ。過去10年間、世界中の株式市場で多くの問題が発生し、典型的な循環的流出が起こった。

2000年代の中ごろには、毎年巨額の資金が株式市場に流入し、マネーマーケットファンドと銀行預金の総額が史上最高を記録した。対照的に、08年の第3四半期から11年の第3四半期にかけて、機関投資家と個人投資家を合わせて約1兆2000億ドルの資金が株式から逃避した。流出額のほぼ半分は、ヘッジファンド、年金基金、保険会社といった機関投資家からのものだった。

 

 

(大学などの)基金も主要な投資家だが、彼らは過去20年間に資産配分を大きく変えた。20年前は、全体の約60%を世界中の株式に投資していたが、現在その比率は20%にまで下がっている。

──何が長期的な株離れを引き起こしているのか。

多くの要因が考えられる。第一に、投資に対するマインドセットが変わってきている。投資家は、高収益が得られるなら、流動性が低い商品でも受け入れるようになってきており、非公開株式、ベンチャーキャピタル、ヘッジファンドなどへの投資を増やしている。

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