青木功、「日本からトップ選手を生み出そう」 まず国内のコース設計を難しくするべき

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確かに、日本はパー72にこだわりすぎるようで、大幅なコース改造を無理にしないでも、フェアウェーを少し狭くして、グリーンをやや硬めに、そして短いパー5をパー4にすれば、18ホール、パー70になったりはするだろうけど、選手の技術の向上には役に立つと思うね。

日本期待の松山英樹は18位タイに終わったけど、全英オープンのような条件で戦うと、世界には自分の上に何十人かいるな、と自覚したと思いますね。松山は、その翌週は日本のダンロップ・スリクソン福島オープンに急遽飛行機をチャーターしての出場。最終日には18番ホールで、参加してくれてありがとうの大拍手。その拍手に驚いたようだったけど、ハードなスケジュールでも帰ってきてよかったと思う瞬間だったろうね。

パットが決まるのはショットがうまいから

全英オープンは、勝ったザック・ジョンソン、またメジャー3連勝が懸かったジョーダン・スピースは、最終日にミスもあったけど、世界レベルのパットのうまさが目立った試合でした。ただ、パットがうまかったという前に、自分の好きなパットのラインに乗せられる、ショットのよさが手助けしてるんですよ。

全米や全英の難易度の高いコースは、ゴルフの技術はもちろんのこと、コース戦略にも磨きをかけないと、メジャーの舞台での活躍は難しいってことですな。6月と7月のメジャー大会をテレビで見て、「俺の夢はメジャーチャンピオンだ」、そう高言する日本の若者たちが多く出てほしいのが正直な気持ちですよ。

さあ夏の後半からは、自分自身のゴルフシーズン。体に無理しないプレーを心掛けないといけません。でも、いざゲームになると気が入りすぎましてね。だからゴルフは楽しいんですけど。

週刊東洋経済 8月29日号

青木 功 プロゴルファー

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あおき いさお

1942年千葉県生まれ。64年にプロテスト合格。以来、世界4大ツアー(日米欧豪)で優勝するなど、通算85勝。国内賞金王5回。2004年日本人男性初の世界ゴルフ殿堂入り。07、08年と2年連続エージシュートを達成。現在も海外シニアツアーに参加。08年紫綬褒章受章。

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