スマホ決済「コイニー」は、どこへ行くのか

母となった佐俣奈緒子社長に直撃

「お店の利便性、お客さんの体験の向上を図っていきたい」と語る佐俣奈緒子社長は、1983年生まれの広島県出身。2009年より米ペイパルの日本法人立ち上げに参画し、2011年10月ペイパルジャパンを退職。2012年3月コイニーを創業。
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2012年3月設立のコイニー(Coiney)は、スマホやタブレットのイヤホンジャックに専用リーダーを差し込むことで、カード決済ができる金融サービスを提供するベンチャー企業。

スクエア、ペイパルヒア、楽天スマートペイといった日米の大手企業が参入しているモバイル決済のジャンルは2013年に火が点いたが、爆発的な普及をしたとはいえない状況だ。

コイニーは現在どのような状況にあるのか。いつの間にか1歳の子どもを持つ母となっていた佐俣奈緒子社長に話を聞いた。

――現在、コイニーはどのようなポジションにありますか。

われわれを含めた同業4社のなかで、取扱高はトップではないが最下位でもないと認識しています。加盟店数は昨年同月対比で8倍の伸び。年明けから勢いが出てきました。エリアは首都圏が4割、決済単価は1万8000円。2年前はもっと早く伸びると想定していましたが、かといって、それほど乖離しているわけではありません。

――想定より伸びなかったのはなぜでしょう?

当初は都心の若者に口コミやフェイスブックで広がると見ていたのですが、導入した個人事業主および法人代表者の平均年齢は45歳で、日本の平均です。皆さん、日々の業務に忙しくてあまりインターネットを見ていないのか、インターネット広告がさほど効かないことがわかりました。そこで、こちらから足で取りに行く営業に変えました。時間がかかり簡単ではありませんが、いったん導入していただくと代替されにくい利点があります。

動物病院のニーズにうまく合致

――医療、自動車・バイク、不動産の3つに注力しているそうですが。

前提として、競合の中で独自スタンスを取りたい、特定セグメントの中でシェアをとっていきたいという考えがあります。金融サービスはどんな業種にも提供できますが、業種によっては、もっとこうやればいいのにと提案できる部分がありますから。

医療では、特に動物病院の開拓が進んでいます。もともと代金未回収や(支払いに余裕のある)月末後に来院が集中するといった問題を抱えており、カード決済でこれらの問題が解決されるケースも多い。病院とカードは相性がいいですね。

提携している自動車販売チェーンのオニキス・グループでは、中古車の購入や車検時の決済で利用されている。LIXILのリフォームチェーンでは、思ったより1回の決済が高額で、頻繁に使われている。消費者にしてみると、後から現金を振りこむよりその場で決済するほうが便利だし、信頼している業者であればカードによる高額決済でも抵抗を感じないのでしょう。

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