日本はそろそろ就活を「通年化」するべきだ! 今回の「就活後ろ倒し」も中途半端?

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採用選考の後ろ倒しは企業と学生がよりよく出会えるきっかけになるのでしょうか(写真 : IYO / PIXTA)

来春卒業する学生の採用選考が、この8月1日から解禁されました。

学業優先の政府要請に応えた後ろ倒し

これまでは大学4年生の4月からスタートした採用選考が、4カ月も「後ろ倒し」になったのです。これは「大学生は学業を優先すべき」といった政府要請に、日本経済団体連合会(経団連)が応える形で実施されたものです。あくまで経団連の会員企業、つまり大企業が順守を推奨されているだけで罰則はありません。当然ながら中小企業は順守する理由がありません。すでに例年どおり、大学4年生になる春頃に内定を出す採用選考も行われており、ダブルスタンダード状態となっています。大企業と中小企業では内定を出す時期が、例年であれば数カ月程度の差であるところ、今後は半年以上も違ってくることになるでしょう。

ちなみに今年2015年春に入社した新卒社員までは、大学3年生の12月から会社説明会に参加。その準備のため、夏には「気持ち的」に就職活動に突入。3年生の時点で就活を本格的に行い、内定を獲得する学生がたくさんいました。

ところが、今年からはそれも様変わりします。大きく異なってくるのは、やはり就活を後ろ倒しするぶん、学業に専念できる期間が長くなるということ。

今の30代以上の世代であれば、出席率は半分位だったという記憶がある人も多いのではないでしょうか。そのおかげ?で生まれた時間をサークルやバイトなど学生時代の友人との交流に充てられていたわけですが、今の学生はすこし違います。最近の大学生は講義への出席率が高く、8割以上という調査もあるなど(ベネッセ調べ)、過去に比べれば学業への意欲が高いのです。

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