ユーロ圏諸国に対しIMFはあまりに甘い--ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授

ユーロ危機が深刻化する中、国際通貨基金(IMF)は対応を見直す必要性をようやく認識し始めたのかもしれない。その手始めとして、ラガルドIMF専務理事は、欧州の破綻した金融システムに対する強制的な資本増強を求めた。欧州の当局者らの怒りの反応──諸銀行に問題はなく、必要なのは流動性の支援だけだと主張──を受けて、IMFは欧州に対してスジを通す決意を強めそうだ。

これまでIMFは、欧州が債務過剰のユーロ圏周辺国を救済する措置を打ち出すたびに、媚びるようにこれを支持し、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドに対して1000億ドル以上の資金を約束してきた。残念なことに、IMFは加盟国の資金だけでなく、自らの組織としての信頼性を危険にさらしている。

たった1年前のことだが、ワシントンでのIMF年次総会で、幹部職員らは、「欧州の政府債務パニック全体が“ティーポットの中の嵐”(空騒ぎ)にすぎない」と語っていた。IMFの職員は、パワーポイントを使った巧みなプレゼンを行い、ユーロ圏の債券が盤石であると投資家らに確信させようとした。

IMFは、ギリシャの場合でさえ「成長と改革が予想されるので、同国の債務は大した懸念でない」と論じた。むろん、この考えは誤りだ。政策とその実行において、ギリシャやポルトガルのような国は、ドイツや米国のような本当の先進経済諸国よりも新興市場諸国にずっと類似したリスクに直面している。

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