DeNA社長が明かす、勝ち残りのプロトコル 「任天堂との提携話も最初は断られた」

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今年に入り、任天堂との資本・業務提携ロボットタクシー事業の合弁会社立ち上げなど、他社との連携を深めるディー・エヌ・エー(DeNA)。守安功社長は任天堂の岩田聡社長の急逝について「突然のことで大変驚いております。これから岩田さんと共に新しいゲームの未来を築こうとした矢先のことで、大変残念でなりません」とコメントしている。
東洋経済は6月末に守安社長にインタビューし、任天堂との提携や新規事業など、今後の成長戦略について聞いた。「週刊東洋経済」2015年7月18日号(13日発売)でその主な内容を記事化したが、東洋経済オンラインでは大幅に加筆した完全版を掲載する。

任天堂からは日々刺激を受けている

──任天堂との提携はどの程度、進捗していますか。

今回の任天堂との提携はセットになっている。業務提携は2つで、1つが任天堂のファンに向けて、ゲーム専用機とスマートフォン、PCを含めたマルチデバイスに対応したメンバーシップサービスをわれわれが開発する。もう1つが、スマートデバイス向けに任天堂IP(知的財産)を活用したゲームを共同開発・運営する。

共同開発のスマホゲームを年内に1本リリースし、2017年3月末までに計5本程度に増やし、それなりのボリューム感を出していく。年内リリース予定の1本は開発が進んでおり、現場ではモノができ始めている。それ以外はIPや企画を決めながら順次進めることで、企画の進捗度合いに応じて徐々に人を増やしていく。

──任天堂とDeNAは社風がかなり違う。

互いに得意分野が違うので考え方が違うところはあるが、いいものを作ろうという思いは当然強い。任天堂と仕事をしていると、クリエイティビティに対するこだわりや面白さの追求が随所にちりばめられていて、自然と入ってくる。われわれも「ああ、なるほどな」と見習いながら、日々刺激を受けて開発している。

──今は何人体制で開発していますか。

当社側は、メンバーサービスを含めて数十人で開発している。3月に提携を発表したときは、私と岩田(聡・任天堂社長)さんだけで決めたのかと質問されたが、岩田さんとは5年くらいかけて話をしてきた。実際に提携まで至ったのも、上だけで話してポーンと決めたわけではない。

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