全国813市区「女性議員比率」ランキング 1位45%から0人の自治体まで独自調査

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「筆談ホステス」から東京都北区の区議会議員になった斉藤里恵さん。質問には筆談で答えている(写真:日刊スポーツ/アフロ)

地方創生と女性の活用。どちらも現政権が掲げる看板政策である。「女性が輝く日本へ」のキャッチフレーズの下、安倍政権は「2020年までに指導的地位にある女性の割合を30%以上まで引き上げる」という目標を掲げている。地方創生を担う原動力ともいえる各地方の首長および地方議員のうち、女性は現状でどれくらいいるのだろうか。

東洋経済・都市データパック編集部では全国813都市(790市と東京23区)を対象に、今年2~5月にかけてアンケート調査を実施、そのなかで各都市の首長・議会について調査を行った。ランキングは主にアンケートの回答をもとに作成。アンケート回収後に改選があった都市については編集部で取材を行い、選挙後の情報を集めた。

女性市長は813市区中18名

現在、全国813市区のうち、女性の市長(区長)は18名である。率にして全体のわずか2.2%の低い水準にとどまっている。

政令指定都市では仙台市(奥山恵美子市長)と横浜市(林文子市長)の2市。同一都道府県内で2名以上の女性市(区)長がいる都道府県は、東京都(足立区、三鷹市)、静岡県(島田市、伊豆の国市)、兵庫県(尼崎市、宝塚市)の3都道府県のみ。北海道は、知事は女性(高橋はるみ知事)であるものの、女性市長は1人もいない。四国(4県)と九州(7県)にも女性市長は1人もいない。

続いて、全国813市区の女性議員比率ランキングを見てみよう。

女性議員比率1位は清瀬市(東京都)45%

市(区)議会における女性議員比率1位は清瀬市(東京都)の45.0%(実議員数20名中9名が女性議員)。2位は同率で目黒区と小金井市(ともに東京都)の41.7%であった。女性議員比率が50%を超えている市区は1つもなく、政策目標である30%以上を現時点で達成できている市区は43市区で全体の5.3%にとどまっている。

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一方、女性議員比率が1桁(10%未満)の市は294市で全体の36.2%(東京区部では該当がない)。そのうち女性議員がゼロの市は52市(全体の6.4%)である。

ランキング上位は東日本勢が目立つ。とくに東京都は、トップ10中6市区がランクインしている。東京都内の全49市区(区部23、市部26)のうち41市区で女性議員比率が20%を超えている。

東京のような大都市は無党派層の有権者が多いため、強固な地盤がない新人の女性候補者でも、しがらみのないクリーンなイメージが好感されれば、一定の支持を集められそうだ。

一方、地方においては、昨今の人口減少を背景に、議員歳費削減の目的から議員定数を削減する傾向が続いている。全国813市区議会の議員定数の合計は昨年の編集部調査(2014年5月時点)では2万0041議席であったが、今年の同調査(2015年5月時点)では1万9630議席であり、1年で411議席、率にして2.1%ほど減少している。

さらに最近では議員のなり手である候補者も減っていて、無投票となる地方議会も目立つようになってきた。こうした議会はさらに議員定数削減の圧力がかかると予想される。そうなると現職同士の椅子取りゲームが激しさを増し、地盤も看板もない新人の女性候補が男性中心の議会に割り込んで、議席を獲得するのは容易ではない。

とりわけ地方では、人口減少と少子高齢化が急速に進展し、子育て・教育・医療・介護・福祉・環境分野での喫緊の課題が山積している。生活に密着するこれらの課題の現場は地域社会や家庭であり、その主たる担い手は女性である。子育てや介護の実体験を持つ女性こそ、政策決定の場に踏み出し、課題解決のために豊富な経験を活かしてもらいたい。

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