全国の都市を対象にした、東洋経済の「住みよさランキング」。総合の「住みよさランキング2015」のほか部門別、東日本編などでもお届けしてきたが、2015年版もいよいよ最終回。今回は「西日本編」をお届けする。
まずは近畿エリアだ。
「近畿」は滋賀県勢がトップ10に5市
「近畿」エリアでは、草津市(滋賀)が3年連続でトップとなった。その間の全国順位は一昨年21位、昨年は17位、今回は14位と着実に上昇しており、エリアトップの地位が固まりつつある。
かつて東海道と中山道が交わる宿場町としてにぎわった草津市は、現在もJR東海道線(琵琶湖線)と草津線、名神高速道路と新名神高速道路、国道1号線と8号線の結節点として交通の要衝としての存在は変わっていない。京都市内へ約20分、大阪市内へも1時間弱であり、京阪神圏のベッドタウンとしての性格を持つ一方、市内には電機を中心に工場が多数立地する工業都市でもあることから職住近接を志向する若い世代の流入も多く、高水準の人口増加が続いている。
大型商業施設等も充実し、近隣自治体からの誘客効果もあり小売業販売高も増加、「利便度」では全国4位とトップクラスにある。加えて、転入・転出人口比率、住宅着工戸数の水準も高く「快適度」でも16位と、2部門での高い評価が寄与している。
2位には芦屋市(兵庫)が昨年3位から復帰、昨年4位の生駒市(奈良)が3位に浮上する一方、昨年2位だった箕面市(大阪)が4位へと後退した。箕面市は、高水準にあった住宅着工戸数がやや減速したことで「快適度」の順位が16位から21位に下がったことが響いた。
昨年、トップ10に6都市がランクインした滋賀県勢だが、今回も5位に甲賀市、6位に栗東市、9位に彦根市、10位に米原市と5都市がランクインし、その評価の高さを見せた。甲賀市は大型小売店舗面積の増加による「利便度」の順位上昇や「住居水準充実度」の水準の高さが寄与したのに対し、栗東市は「快適度」「富裕度」がともに全国でトップ50内と高い順位にあることが牽引役であり、バックグラウンドは異なる。
ただ、昨年8位だった守山市が23位と大きく順位を下げた(全国順位49位→123位)が、これは大型商業施設「ピエリ守山」の休業による大型小売店舗面積の減少により「利便度」の順位が急落したこと(「ピエリ守山」は、その後2014年12月にリニューアルオープン)と、出生数減少や保育所関連指標の低下による「安心度」の順位低下が影響した。
続いて「中国・四国」を見てみよう。
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