マイクロソフト「7800人削減」は、吉か凶か ついに旧ノキア部門を大リストラ
「Windows 10」により巻き返しを目指すマイクロソフトが大規模なリストラに着手することが明らかになった。7月8日、スマートフォンの製造販売部門の大幅な見直しを図ることを発表したのだ。
この見直しはきわめて大規模だ。なんと約7800人の従業員が職を失うことになり、構造改革費用として7億5000万~8億5000万ドルを計上する。また2年前に発表され、昨年5月に完了していたノキアの端末部門買収によって計上していた資産を一括で償却。資産償却はキャッシュアウトを発生させないが、その額は76億ドル(約9200億円)と莫大なものである。
大規模リストラに伴う業績見通しの変化については、7月21日に行われるマイクロソフトの第4四半期決算発表において言及される見込みだ。
モバイル端末の「再発明」を目指す
このリストラの意味するところは、モバイル端末からの単純な撤退ではない。サティア・ナデラCEOは、これまでの「端末の製造販売」というビジネスモデルを取りやめ、強みであるWindowsエコシステムの強みを活かした端末開発へと戦略を移すという。すなわち、劣勢にある現行のスマートフォン事業での「後追い」の道を捨て、長期的にモバイル端末を「再発明」する方向へと舵を切ったわけだ。
マイクロソフトはこれまで、ノキア時代から引き継ぐLumiaブランドのスマートフォンに投資をしてきた。しかし、しょせんは、すでに市場を席巻しているiPhoneやAndroid端末と同じ軸での競争。ナデラCEOは、この戦略をいつまで続けていても、マイクロソフト独自の競争力は引き出せないと考えたのだろう。
一見すると、マイクロソフトがモバイル向けの基本ソフトで”白旗を揚げた”ようにもみえる。しかし、そう判断するのは早計だ。
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