ピーチがエアバス機を購入する重大な意味

もはや「LCC」とは呼べない?

徒歩での搭乗はLCCの特徴の一つ

ピーチ・アビエーションという航空会社を「LCC」という用語で表現しようとしたが、思わずキーボードをたたく手が止まった。「格安航空会社」という日本語の意訳がはたして実像に合っているのか。6月中旬、フランスのパリで開催された航空ショーで開かれたピーチとエアバスの共同会見後に抱いた正直な感想だ。

発表の内容は、ピーチがエアバスの小型機「A320」を3機買い付けるというもの。ピーチはすでに14機のA320を運航している実績があり、単に17機に増えるだけかと思ったらそうではない。これまでは原則としてリース契約。今回は、ピーチがエアバスから「直接購入」するのだ。ピーチCEOの井上慎一氏が自らパリに赴き、エアバスにとってお膝元ともいえるパリ航空ショーで、同社のCEOであるファブリス・ブレジエ氏とCOOのジョン・リーヒー氏と調印を交わしたことに、重大な意味を感じた。

筆者自身、普段は自動車の記事を書いており、航空業界についてあまり詳しくはないものの、一般的な認識を照らし合わせて考えても、今回のピーチの決断は巷に流布しているLCCの概念とは一線を画すものだった。

リースでリスクを軽減するのは王道の一つ

航空会社による航空機(機材)の調達は、リースと購入の2つの方法がある。リースの場合は金融機関の投資部門や、子会社の航空機リース会社から借りることになる。なかにはノヴァス・アヴィエーション・キャピタルのように、航空会社やオーナー向けに資金調達からリース事業までソリューション提供する独立系のプライベート企業もある。リース先が誰もが知る有名な航空会社であり、投資対象も航空機というわかりやすい実体があるので、投資先として人気がある。

たとえ新型機であっても、航空会社がリースで機材を調達するケースが多い理由は、リスクを極力軽減するためだ。航空会社は各国にあり、取引はドル建てが中心。まずは当然、為替のリスクがある。航空機を売るエアバスにとっても、契約をしてから新造機の納品まで時間がかかるため、経営体力があり、実績のあるレガシー・キャリアに航空機を販売するのとは、ワケが違う。経営が安定していないLCCに機体を販売する場合には、資金回収ができなくなる可能性を常にはらんでいる。

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