トーナメント戦でいい?高校野球"常識"覆す挑戦 「高校3年夏で負けたら引退」は"固定観念"だ

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慶応高校の森林貴彦監督と阪長友仁
慶応高校の森林貴彦監督(左)と(写真:阪長友仁)

野球界にも新たな価値観が必要だと取り組み、慶応の優勝もあってそうした発信が増えています。『なければつくればいい』という発想はビジネスの世界では当たり前でしょうが、日本のスポーツ界ではそうでないところもあります。『高校野球は3年夏で負けたら引退』という固定観念がありますが、本当にそれでいいのか。固定観念の打破は今の日本社会に求められていると思うので、野球界から発信していきたい」

世界の「個々を伸ばす仕組み」は?

世界に目を向けると、「個々を伸ばす仕組み」がさまざまにある。

アメリカの大学ではサマーリーグという機会があり、夏休みに学生が費用を自己負担して参加する。自身の成長につながることに加え、奨学金の獲得やプロ球団にアピールする機会にもなるからだ。

ドミニカ共和国のサマーリーグでは、10代後半のプロ選手たちが3カ月間に72試合のリーグ戦を行う。実戦経験を重ね、8軍に当たる彼らはメジャーリーグへの昇格を目指していく。

翻って日本は「負けたら終わり」のトーナメント戦のため、実戦で成長する機会が得にくい。

勝たなければ次がないからチーム優先となり、個人が犠牲になることも求められるが、もっと自分をアピールする機会があってもいいのではないか。

阪長はそんな願いを込め、個人参加型の「リーガ・サマーキャンプ」を構想した。一般社団法人「Japan Baseball Innovation」を設立し、個人や企業から寄付を募って大会運営費に充てようとしている。

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