トーナメント戦でいい?高校野球"常識"覆す挑戦 「高校3年夏で負けたら引退」は"固定観念"だ

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左が阪長さん、右が栗山町の吉田政和教育長
左が阪長さん、右が栗山町の吉田政和教育長(写真:阪長友仁)

栗山町と相思相愛で結ばれ、まずは開催日程を8月上旬から中旬に設定した。

全国各地で夏の地方大会は7月後半に終わり、夏休みを考慮すると8月18日頃には全日程を終えたほうがいい。

旅行会社に相談し、宿泊費や交通費を含めた運営費を見積もると一人25万円程度と算出された。

できれば20万円程度に抑えたいのが本音だった。

例えばバスケットボールのウインターカップ(全国高等学校バスケットボール選手権大会)には冠スポンサーにソフトバンクがついているように、企業の協賛を受ければ参加費を抑えられる。

だが、高校野球では不可能だ。日本学生野球憲章により、選手やチームを商業的に利用してはならないと規定されているからだ。

「野球界の固定観念」を打破したい

「果たして、25万円の参加費でどれくらい集まってくれるのか」

阪長はアンケートをとると、400人以上の回答があった。参加を「ぜひ検討する」は36人、「検討する」は67人。「どちらとも言えない」が98人。約80人の定員は十分に見込める回答だった(3月25日時点)。

アンケートの対象は2023年の甲子園に出場した5チームを含め、「リーガ・アグレシーバ」の参加校だ。

リーガ・アグレシーバは高校野球にリーグ戦を導入しようと阪長が提案して2015年に大阪の府立6校で始まった取り組みで、現在は170校以上に広がっている。昨年夏の甲子園を制した慶応や、ベスト8に進出したおかやま山陽も名を連ねる。

木製バットや反発係数に制限を設けた金属バットの使用、投手の球数や変化球の制限、スポーツマンシップ講習の受講など、選手たちの成長につなげる制度設計が特徴だ。

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