ギャンブル依存「いつか勝つ」が難しい数学的根拠 負け続けた結果、一気に挽回を目指しても…

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(写真:kapinon/PIXTA)

ドジャースの大谷翔平選手の通訳を務めた水原一平氏が解雇されたニュースは、野球が大好きな筆者は衝撃をもって受け止めた。スポーツ専門チャンネルのESPNの報道によると、水原氏は自身が「ギャンブル依存症」であることを明かしたという。

押さえなくてはならないことは、ギャンブルにおいて胴元は大きく儲けるが、参加者の期待値は損になることである。本稿では、ギャンブルの危険性について数学の視点から訴えたい。

ギャンブル「必勝法」のカラクリ

賭博にはさまざまな種類があるが、分かり易くルーレットで説明すると、ルーレットには1から36までの数字が並ぶ他に、0と00がある。1から36の半分は赤で、半分は黒である。赤(黒)にチップを1枚賭けて赤(黒)が出ればチップを2枚もらえる。掛けた色ではない色や0や00が出れば賭けたチップを失うのである。それゆえ、期待値は損になる。

賭博に引き込みたい胴元周辺がよく囁く“必勝法”に、「マーチンゲール法」というものがある。説明を簡単にするために、0や00があるルーレットではない「コインの表裏」などを当てる単純な賭けとして説明しよう。

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