大谷選手の結婚が統計的に「ナチュラル」な理由 29歳という結婚年齢は「早い」わけではない

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大谷さんとパートナーの写真が球団SNSから公開され、妻となった方のご年齢等がほぼ確定でわかっています。27歳の方だろうとのことで、夫が2歳上の結婚となります。

これもあまりにナチュラルな年齢差で驚きました。2022年の初婚同士男女の結婚年齢差ベスト5は以下の通りです。

大谷さんは表の4位の「夫2歳上」に該当しますので、こちらも統計的に見て極めて妥当な年齢差となっています。ちなみに初婚同士の結婚において、男女1歳差以内の結婚は12万0162件で、全体の47.0%を占めます。そして男女2歳差以内の結婚では15万7458件で61.5%となり、やはり大谷さんの結婚は統計的に見てとてもナチュラルな結婚となります。

普通じゃないからニュースになる、ニュースの罠

大谷さんの結婚は国際的に著名なスポーツプレイヤーの結婚ということで、大きくニュースで取り上げられています。しかし、その年齢については一切、特に取り沙汰されていません。どうしてでしょうか?

それは「ナチュラル婚」だからです。普通のことは、ニュースのネタにはならないのです。

過去には男性芸能人の20歳以上年下の女性との結婚などが取り上げられ、当時は結婚相談所に40代の男性から「20代の女性は登録しているのか」といった問い合わせが多くなった、という話も結婚支援の現場の方から伺いました。

しかし、気を付けねばならないのは「ありえないことほど騒がれる、ニュースのネタになる」ということです。

大谷さんはスポーツ界における超大物で、ほとんどの人が追随できる婚活スペックの方ではありません。しかし、そのマッチング年齢においては、極めてナチュラルな「王道ナチュラル婚」の道を進まれました。大物なのにナチュラルな結婚を目指されたところが、大谷さんの「自然体」の魅力をさらに輝かせているように感じます。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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