「先の見えない仕事」挫折しないための2つの鉄則 手応えのない時ほど、ブレずに着実に歩を進める

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本物の砂漠でも、スタートアップにたとえた場合でも、砂漠を歩いて横断するときには、避けたほうがよいことが2つある。

1.方向を変えない。変えてしまうと、同じ場所をぐるぐる回る恐れがある(砂漠で道に迷ったかもしれないときは、「ピボット(事業の方向転換や路線変更)」をするタイミングではない)。

2.燃料を切らさない。燃料(スタートアップの場合には資金)は、砂漠の真ん中では非常に高価だ。

「早く失敗する」起業家ほど成功の機会が増える

失敗の旅はいつでも、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成する(基本的には、ユーザーに対する価値を生み出す)ことからはじまる。

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PMFを達成したら、ビジネスモデルの構築でも、海外展開でも、スケールの仕方を学ぶにしても、次の旅程のチケットを購入することになる(それはそれで、また別の失敗の旅となる)。

PMFが見つかれば、成功への道を進んでいる。見つからなければ、死んでしまう。

旅の各行程で、最も重要になるのは、どれだけ早くリカバーできるかであり、早くリカバーするには、早く失敗しなければならない。

次のアイデアやコンセプト、テーマへの挑戦に向けて、どれだけ早く持ち直すことができるか。

この「早く失敗する」手法を取り入れる起業家は、単純に成功の機会が増える。

ユリ・レヴィーン 起業家

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Uri Levine

2つのユニコーン企業=デュオコーン(二角獣)を生み出した連続起業家・創造的破壊者。世界最大のコミュニティベースの運転・渋滞・ナビゲーションアプリのウェイズを立ち上げ、2013年に11.5億ドルでグーグルに売却、2020年にムービットを10億ドルでインテルに売却した。スタートアップを通じて、非効率的な市場を破壊して不十分な機能のサービスを改善し、「大きな問題」に集中して世界をよりよい場所へ変えることを目指す。幾多の失敗から成功までの過程で培った知見をもとに、次世代の起業家のメンターも務めている。2015年には、エフード・シャブタイとアミール・シナーと共に、国際NPO「Genius 100」財団により「世界の100人」に選出。

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樋田 まほ 翻訳者

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といだ まほ / Toida Maho

翻訳者。商社、旅行会社勤務を経て現職。主な訳書に、『今すぐ使える! 稼ぐウェブサイト100のアイデア』『ポジショニングの10ステップ ヒット商品を生み出す不変の法則』(以上、ダイレクト出版)、『アウトサイダーズ 大自然を旅して生きる』(グラフィック社)、『VAN LIFE ユア ホーム オン・ザ・ロード』(トゥーヴァージンズ)、『マリメッコ プリント作りのアート』(青幻舎)などがある。

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