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脱・マイナス金利が呼ぶ「銀行業界」の地殻変動 悲願の金利上昇で収益改善に大きな期待

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日銀はマイナス金利解除やYCCの撤廃を決めた。日本国債の利回りが上昇すれば、銀行は安定収益を得られる投資先を確保できる。むろん、マイナス金利の解除が「向かい風」となる場面もある。

低金利政策にあえいできた銀行に光明は差すか(撮影:梅谷秀司)

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「金利正常化に向けた動きを歓迎したい」(三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取)、「日本経済が新たな成長の軌道に入っていく大きな転換点になる」(三井住友銀行の福留朗裕頭取)、「金利収益改善の点で、ポジティブに評価している」(みずほフィナンシャルグループの木原正裕社長)。

日本銀行がマイナス金利の解除を発表した3月19日、3メガバンクから歓迎の声が飛び出した。低金利政策に抑圧されてきた銀行は、構造不況から脱せられるだろうか。

貸出金利引き上げへ

日銀による政策変更の中でも、銀行に最も影響があるのは短期金利の引き上げだ。

代表的な指標である無担保コール翌日物を、現在のマイナス圏から0~0.1%へと誘導する。銀行の収益源である貸出金の多くは短期金利を参照しているため、貸出金利の上昇に寄与する。とりわけ、大企業向け融資で採用されることの多い市場連動型は、迅速な上昇が期待できそうだ。

一方、固定金利型の場合は、新規実行や借り換えのタイミングまで待つ必要がある。また、変動金利の住宅ローンで採用の多い短期プライムレート(短プラ)連動型は、貸出金利が変わらない可能性が高い。

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