新卒入社も「10カ月」で退社、28歳彼女が戻った訳 元バレエダンサーの人事、転職で気付いたこと

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振り返ると、当時の私はバレエで頑張っている仲間たちに対する、コンプレックスを払拭できていなかったんだと思います。当時はそれが苦しくて、この先、何をどうしたらいいか、自分が何者になりたいのか、わからなくなっていました。

また、一般的な就活をしないまま就職してしまったことも影響していると思います。通常、学生時代にみんなが行う、自己分析や業界研究など、就職活動で自分と向き合う作業。選考に落ちたり、受かったりして、自分はどんな人間で、どんな将来を描きたいかを真剣に考え抜く。それらをすっ飛ばしてしまったんですよね」

売り手市場であり、採用難が続く時代だからこそ、学生インターン生を雇用し育成することは非常に素晴らしい経験やノウハウだと思うのだが、しかし、当時の彼女はそれ以上に、”アイデンティティを探したい”という気持ちが強かったのだ。

起業を視野に入れた転職

こうして、PR代理店へ転職することになる。やはりエンタメの世界にチャレンジしたい気持ちが強く、そのステップとして考えていたのだ。

「当初、イベントの制作会社に入ろうと思っていたのですが、アシスタントを10年やってようやく企画などに携われる……そんな時間軸だったんです。そのスピードだと遅いなって感じて。

一方、転職先のPR代理店ではイベントプロデュース部門に配属され、企業やサービスの記者会見やPRイベントをひたすら毎日のように作り上げて運営するという仕事でした。

でも、エンタメ業界に片足を突っ込んでみた結果、そこで成り上がっていくビジョンは描けませんでした。自分で何かを立ち上げたいという気持ちが強くなったんです」

PR代理店には2年弱ほど在籍し、その後、エシカルビジネスを展開するスタートアップ企業に転職することになる。

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