「マルハラ」を認めると組織が破綻する3つの理由 若い世代に合わせるべきタイミングの見極め方

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一方でノイジーマイノリティは「能動的」だ。積極的に主張する。強くアピールしないとマイノリティの意見に耳を傾けてもらえないと考えているからか。

ただ、その姿勢がエスカレートして「口うるさい」「やかましい」と思われてしまうことも多い。

少数派の意見も、もちろん無視はできない。しかしマネジャーが心理的安全性の概念を誤解し、ノイジーマイノリティの意見を重視しすぎると、組織内のバランスが崩れることがある。

学校の給食でたとえてみよう。

生徒の中に海老アレルギーの人がいた。その生徒が、

「私は海老を食べられないので、給食で海老が出たら食べなくてもいいですか?」

と言ってきたら、無視してはいけない。

「そんなことを言っていたら、みんなも真似する。君だけ例外は許さない。何でも残さずに食べろ」

などと先生が言ったらハラスメントだ(ハラスメントで済まないかもしれない)。本人だけ別のメニューを提供するか、お弁当持参を許可する等の個別対応が必要だろう。

しかしその生徒(もしくは親)が、

「海老アレルギーの生徒がいるのに、給食に海老が入ったメニューがあるのはおかしい。すぐに給食のメニューから外すように」

と訴えたら、ノイジーマイノリティである。「マルハラ」も同じではないか。

「個別対応」で落としどころを見つける

現実的な視点で考えてほしい。

すでにビジネスの世界では、急速にSNSやチャットが普及している。若者のほうがその文化に慣れ親しんでいるからといって、圧倒的大多数の「若者ではないビジネスパーソン」が、

「語尾に句点をつけられても威圧感を覚えない」

と感じるなら、その主張は受け入れられない。

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