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2024年問題で建設業に激震!「下請け」の暴走も 迫る「時間外労働規制」、現場で広がる戸惑い

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下へ下へと無理な注文を押しつけていく多重構造の悪しき慣習が残れば、業界全体がさらに疲弊していく。

建設業界ではとくに、鉄筋、とび、型枠、左官の職人が不足していると言われる

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ピンポーン。玄関のチャイムが鳴り、訪問者がこう告げた。「労働基準監督署のものです」。

2023年12月のことだった。関東圏で専門工事業を営む男性は語る。「抜き打ち検査だった。当社では初めてだし、周囲の建設業者でも労基署が入ったなんて、聞いたことがない」。

職員が事務所に入って作業を始めたが、様子を見ていると、少し何かおかしい。職員は30歳ぐらいの女性と若い女性の2人組で、年上の女性が若い女性に賃金台帳の見方などを指導していた。

次ページ人手不足が深刻で余裕のない現場
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