現代人は仕事で、だいたい「無理」しすぎる 生物学の視点から見る「自然」なマネジメント
自分を追い込む生物は人間だけ
理科の教科書で、こうした記述を目にしたことがあるかもしれません。
「人類の祖先は直立二足歩行を行うことによって、他の四足歩行動物と比べ、大きな脳を発達させた。そして自由になった両手を使い、高度な文明を築くことができた」
私たちは巨大な脳と器用な手を使い、文明を築き、自然をコントロールしてきました。そして、科学を生み出したのです。
ただ、これは人間の知性のいい面ばかりを切り取った認識なのかもしれない、と私は思います。知性を進化させてきた5万年の歴史で、私たちの脳は、同時に致命的とも言える進化をしてしまいました。私たちの脳は、「楽をする」ことを忘れてしまったのです。
あなたが一日の仕事を終えて、疲れた体で家に帰ってきた。そんなときでも、「なんとなく夜遅くまで起きている」ことがあるでしょう。何か見たいものがある訳でもないのにテレビをぼーっと見つめている、スマートフォンなどでネットサーフィンをしている、そうして夜遅くまで起きているのです。
普通に寝て、普通に次の朝に起きれば、日中に眠くならず、ストレスも溜まりません。それでもついつい寝られない。「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、生物学的に見ると、これはまったく当たり前のことではないのです。
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