セコムがインターネット活用した新型ホーム・セキュリティシステムを開発、写真画像、身分証明書など個人情報預かりが可能に

セコムがインターネット活用した新型ホーム・セキュリティシステムを開発、写真画像、身分証明書など個人情報預かりが可能に

オンライン・セキュリティシステムによる警備サービス最大手のセコムは、家庭用の新型セキュリティ・システムを開発、今年12月に販売を開始する。

新型のシステムは、家庭内に設置した端末とコントロールセンターをネットワークでつないだ既存システムの防犯・火災監視等の機能に加え、インターネットを活用した新サービス機能を付加したもの。

具体的には、(1)災害時などの緊急時に備えて健康保険証などの身分証明書や家族写真、服用薬情報などの個人情報をセコムのデータセンターで預かる「データの預かりサービス」、(2)家族どうしや複数の契約家間での画像や伝言などの共有を可能にする「データ共有機能」が提供される。

また、(3)セコムグループが提供する食品通販や生活支援サービス、損害保険などの申し込みなどが端末経由で可能となる「オールセコムサービス」、(4)セコムが契約した企業や金融機関からの情報提供などが可能となる「マイページサービス」なども標準機能として追加される。

「4カ月前の東日本大震災を契機に、当社では従来のホーム・セキュリティの機能だけで十分か、という議論を行った。被災地では、震災で服用薬の種類が分からなくなったとか、家族の連絡先の記録が残っていない、家族写真データが持ち出せなかった、といった問題が顕在化している。こうしたニーズと当社のデータセンター事業のサービスとを組み合わせ、新たなセキュリティシステムとして進化させたのが今回の新型システム」と前田修司社長は言う。

写真画像のデータ預かりサービスは、インターネットの一般的なクラウドサービスなどでも提供しているが、「国や金融機関のデータを預かる当社のデータセンターは最高レベルのセキュリティ管理を行っている。一般サービスと比べると圧倒的に安心度は高いはず」(同)と自信を見せる。ただ、データのやりとりは家庭用端末を経由したものだけで、職場など遠隔地のパソコンなどとの接続はできない。

新型システムは、現在の標準型1戸建て家庭を主対象とする「カスタム」契約の月料金(6510円)と同額の設定となる予定。データ預かりサービスは2ギガバイト(高精細写真画像で1000枚程度)までは無料だ。機器導入の初期費用を負担すれば、既存契約からの乗り換えも可能だという。セコムでは、初年度の新規契約目標を10万件と設定、月当たり新規契約数は従来型サービスと合わせて3倍程度を見込んでいる。

なお、2011年3月末のセコムの家庭用の契約件数は49万8000件。新規契約件数から解約分を差し引いた前年同期比増減は2万6000件の増加(新規件数のみの数値は非公開)。契約件数は30年前の家庭用サービス開始以来、一貫して純増ペースを続けているが、ここ数年の伸び率は5~6%台とやや鈍化傾向にある。

今回の新型システムは、データセンターを含めた同社の既存インフラを活用したもので「大きな投資を伴っていない」(広報部)が、サービス開始30周年目の新機軸として、家庭用セキュリティ市場の再活性化につながるかどうか、その点でも普及動向に注目したい。

(写真は新システムの説明をする進藤健輔・セコム技術開発本部本部長兼開発センター長)
 

(勝木 奈美子 =東洋経済オンライン)

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