「給料よし、残業なし」の会社を社員が辞めるワケ 心理的安全性よりも重要な「キャリアの安全性」

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最近はホワイト企業でも「ある理由」で若手を中心に社員の退職が続出するケースが増えています(写真:Fast&Slow/PIXTA)
社員がすぐに辞める会社といえば、以前は長時間労働、パワハラが横行する「ブラック企業」というのが定番でした。しかし、最近はホワイト企業でも「ある理由」で若手を中心に社員の退職が続出するケースが増えています。なぜ、そうしたことが起きるのでしょうか。防ぐ手だてはあるのでしょうか。具体的な対策について、人事コンサルタントとして3000人以上のキャリア支援に関わってきた難波猛さんの著書『ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術』より、一部抜粋、再構成してお届けします。

若手社員がどんどん辞める会社に共通する特徴

「自分を成長させてくれない会社では働き続けたくない」

「今の会社にいたら、学生時代の友人に差をつけられてしまう」

「ゆるい職場は、居心地は良いがリスクでしかない」

いま、若手の社員がこうした理由で会社を辞めるケースが増えています。

少し前までは、若手社員の退職といえば、「長時間の残業やパワハラが横行するブラック企業だから」というイメージがありました。しかし最近は、高い倍率を勝ち抜いてホワイトな大企業に勤めているのに、2、3年という早期で退職する人が多くなってきています。

私が所属する企業が実施している「退職者インタビュー」でも、その傾向は顕著です。客観的に見ても、福利厚生もオフィス環境も給与制度も安定して充実しているホワイト企業を、特に会社や上司が将来を期待している「優秀で意識が高い」社員ほど、20代で自己都合退職していきます。

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