塾より効率的!「独学」で成功する人の秘策 独学「最大の欠点」には"火加減"で立ち向かえ

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さて、ダメ人間作戦は「そもそも勉強自体したくない」ときの対処法なのですが、「勉強する気はあるが、なかなか乗り切れない」という瞬間もたくさんあるでしょう。

私の場合、家を出て図書館に行ったはいいが、なーんかやる気が出ない、という日がありました。どこかへ遊びに行くほど気が乗らないわけではないが、なぜか効率が悪い。そんな状態です。

こんなときには「お釜でごはん」作戦が有効です。思い出していただきたいのは、お釜でごはんを炊く際の合言葉、「はじめチョロチョロ、なかパッパ」。つまり、弱火から強火へ、という流れです。

頭のウォーミングアップを意識しよう

あまり意識していない人が多いようですが、料理の火加減と同様、勉強にも”強度”があります。一度読んだ参考書を再度読む、人の話を聞くといったことは、頭をフル回転させなくとも可能なので、強度が低いと言えます。その一方、暗記する、記述問題を解くといった勉強は、強度が高い。

なかなか乗り切れないときには、「はじめチョロチョロ」として強度の低い勉強を先に持ってくると、気持ちが勉強に向かいやすくなります。はじめにチョロチョロすることがウォーミングアップとなり、頭が「勉強モード」に入っていくので、強度の高い勉強に入っていきやすくなるのです。

私の場合、参考書を読むのがいちばん楽だったので、気が乗らないときにはそうした勉強をし、徐々に気分を高めて記述答案作成などのきつい勉強に入っていくように心掛けていました。

そう、私はこれで塾通いをやめたのです(最近、ネタに昭和感が満載でしょうか)。今回挙げたものは一例ですが、重要なのは、自分なりのモチベーションアップ手段を持つこと。ロンリーなご質問者様が、今後の試験も独学で突破できますように。ではまた。

鬼頭 政人 資格スクエア創業者、弁護士

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きとう まさと / Masato Kito

1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、22013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業、その後、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」(後にfreeeサインと名称変更)も創業。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』など。

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