日経平均が最高値の1989年はどんな年だったのか 「喪が明けた感覚」など2024年と「3つの共通点」

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堂々と批判したのは1月1日に亡くなった山崎元さんくらいで、当欄2017年10月の記事で指摘している(「日経平均21年ぶり高値」を素直に喜べない) 。この件は忘れている人が多いと思うので、「7年前の山崎さんの記事を読んでおけ!」と注意を喚起しておきたい。

まとめて30社も入れ替え、連続性が途切れた

そもそも論で言えば、日経平均は225種の銘柄の平均値、TOPIXは東証全体の時価総額の加重平均である。日経平均はNYダウ30種平均を、TOPIXはS&P500種指数を真似して作られた。

この2つの指標は、かなり違う動きをする。日経平均はファーストリテイリング、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、キーエンス、といった値ガサ株の影響を受けやすい(今回もそうだ)。逆にTOPIXは時価総額の大きい銀行、電力、不動産などの内需関連株を代表することになる。かくして日経平均をTOPIXで割った「NT倍率」という指標が使われたりもする。

その点、NYダウとS&Pはだいたい重なるようになっている。これはダウ・ジョーンズ社が、ダウ30種採用会社を小刻みに変えているからで、その辺が「秘伝のレシピ」みたいなものである。歴史が古く、権威もあるから、30社から外される会社も文句を言わない。

ところが2000年の日本経済新聞社は、その辺でしくじったらしい。まじめな話、日経平均の対象でなくなると、インデックス買いから外れてしまうので、会社の株価が下がるのだ。

察するに「御社を日経225から外させてください」とお願いに行ったところ、「日経記者はお出入り禁止!もう二度と広告も出さない!」などの嫌がらせを受けたのであろうか。結局、小まめに替えることができず、一度にまとめて30社も入れ替えることになってしまった。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というわけだ。

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