CEOが交代、ツイッターで何が起きているのか かつての「ネット業界の雄」も内実は厳しい

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後継CEOは誰に?(写真:Richard Perry/The New York Times)

2006年の創業以来、策略を弄するようなことが共同創業者や初期の経営幹部の間で繰り返され、Twitterの経営陣は決して安定してこなかった。

コストロが2010年10月にCEOになったのも、当時の創業CEOエバン・ウィリアムズに対する無血クーデターのような形でだった。ウィリアムズは今も大株主として取締役会に在籍し、新CEOの選考委員会に加わる。

昨年は商品改善を加速するために、コストロ体制下で大幅に経営陣が刷新された。コストロよりも前にCEOを務めたドーシーは会社と商品について熟知している。彼は2009年に決済サービス会社スクエアを立ち上げ、そのCEOも兼務してきた。スクエアの本社はサンフランシスコのTwitterのビルと同じ通りにある。

ドーシーがTwitterのCEOになるのは今度で2回目だ。前回は2008年にウィリアムズによってその座を追われた。そのウィリアムズも退いた後の2011年には経営執行役会長に就任した。しかし事情通によると、2008年以来トップに返り咲くことが彼の念願だった。コストロCEO時代には会長職にありながら、Twitterの進む方向に対して影響力を増そうとしてきたと言われる。

ドーシーは今後もスクエアのCEOを続け、TwitterのCEO選考委員にはならない。

CEO候補の絞り込みはまだ

コストロにまつわるウワサが流れるうち、いろんなCEO候補を推す陣営が生じてきた。

社内で人気があるのはグローバル収益担当社長のアダム・ベインだと言われている。メディア業界で経験を積んでフォックス・インタラクティブ・メディアでも活躍してきたベインは、Twitterと提携するメディア各社と強力な関係を持つ。

社外から注目されている候補はアンソニー・ノトだ。かつてゴールドマン・サックスでテクノロジー分野の責任者を務め、今はTwitterの最高財務責任者(CFO)の職にある。

社内情報によると、最近ノトはもっと業務に携わる方向を目指し、今年に入ってからマーケティング部門を監督するようになった。それは以前は広報担当副社長のガブリエル・ストリッカーの責任範囲だった業務だ。

アナリストのペックによると、ヤフーの暫定CEOを務めたロス・レビンソンや、雑誌形式の閲覧アプリ「フリップボード」のマイク・マキューCEOも候補かと思われる。

「多くのことを正しくやってきた。間違いもいくつかあった」と投資銀行マッコーリー・グループのアナリスト、ベン・シャクターは言う。「Twitterはまだ真骨頂を発揮していないというが、確かにそうなのだろう」。

(執筆: Vindu Goel記者、Mike Isaac記者、翻訳: 石川眞弓)

© 2015 New York Times News Service

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