CEOが交代、ツイッターで何が起きているのか かつての「ネット業界の雄」も内実は厳しい
3億200万人のアクティブユーザーを抱えるTwitterは今、投稿文字数140字までというメッセージサービスの将来について難しい問題に直面している。この世界では写真や動画がますます幅を利かすようになってきた。
「Twitterは見た目よりずっと悪い状態であるに違いない。CEOの交代は大ごとだ」とIT業界専門の調査会社ガートナーのアナリスト、ブライアン・ブラウは指摘する。「Twitterはまだ難局を乗り切っていない。ジャック・ドーシーはTwitterのことをよく知っているが、これまでの戦略の多くがあまり順調でない以上、外部の視点を取り入れるべきだろう」。
そのドーシーによると、取締役会は新CEOを求めると言っても、会社の戦略や方向性を変えようというわけではない。「わが社にはすばらしい戦略がある。方向性もすばらしい。それを支えるチームもすばらしい」と彼はインタビューで述べた。
成長が滞るTwitter
2013年にTwitterが上場してからというもの、コストロはウォール街からの高い期待感に何度となく応えることができなかった。彼の退陣はTwitterがテック界大手に買収されるのではないかという憶測にあらためて火を付けそうだ。現在、Twitterの時価総額は240億ドルを超える。このところGoogleに狙われているとのウワサが流れたが、事情通によると決して話が進んでいるわけではない。
調査会社eマーケターの推定で、今年Twitterの月間ユーザー数は前年比14.1%増にとどまりそうだ。2年前には30%増を実現していた。2019年にもなると世界での増加率は6%と見られている。
eマーケターによると、昨年米国で192億ドルに達したモバイル端末向けネット広告市場のうち、Twitterが占めた割合は3.6%。それに対してFacebookは18.5%、最大の存在Googleは36.9%だった。
コストロ辞任に向けて圧力が強まったのは、初期からの投資家であるサッカが、Twitterのこれからに関する構想を8500語の長文にまとめ、自身のブログで最近公表したことによる。その後コストロは株主総会で厳しい質問攻めにあった。
サッカの構想では、Twitterのサービスの見直しを深化させることや、変化に抵抗してきたこの会社でもっと実験をすることが求められている。
「Twitterは間違ったものを築いても余裕がある」とサッカは書いた。「だが正しいものを築くことに遅すぎるようではやって行けない」。
これを受けて投資銀行サントラスト・ロビンソン・ハンフリーのアナリスト、ロバート・ペックは投資家が過去2四半期に続いて7月にもTwitterの業績に失望するようなら、経営者の「交代を検討する可能性はあると思える」と述べていた。
6月11日の時点で、Twitterは第2四半期の決算は予想通りという見方をしている。