「ハイブリッド車」やけに復活している2つの理由 トヨタとホンダにとっては追い風になっている

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ヒョンデ、キア、そして同社の高級車ブランド「ジェネシス」は、2023年のアメリカの販売台数で過去最高を更新する中、テスラを除くどの自動車メーカーよりも多くのEVをアメリカ国内で販売した。ヒョンデは、バイデン政権が2032年までに新車の3分の2をEVにすることを義務付ける規制案を打ち出した後も、ハイブリッド車に対して強気の姿勢を崩していない。

「この業界で生き残りを図る企業は、いずれも電動化に投資している」。そこには、アラバマ州とジョージア州の工場に120億ドル(約1.8兆円)の投資を約束しているヒョンデも含まれると、キア・アメリカの最高執行責任者(COO)スティーブ・センターは言う。

だが、EVは「ピックアップトラックに乗るモンタナのカウボーイ」のニーズに応えられるようなものではないかもしれない、とセンターは付け加える。ハイブリッド車なら、そうした人々が乗る車の排出ガスをより迅速に削減することができるというわけだ。

トヨタ、アメリカ販売台数3割はハイブリッド

センターは大胆な予測を披露する。内燃機関車が廃れていくにつれ、残りのガソリン車はすべてハイブリッドの形態で電動化を採り入れることになる、という予測だ。消費者と規制当局が燃費の向上と排出ガスの削減を求める中、ガソリン車はハイブリッド化しなければ太刀打ちできなくなる。

「どの車種もハイリッドから始めるべきだ。ハイブリッド車なら、誰でも、どんな場所でも運転できるのだから」とセンター。

こうした路線を走っているとみられるのが、世界最大の自動車メーカー、トヨタだ。トヨタは数カ月以内に、高級車ブランド「レクサス」のものも含めて、ハイブリッド仕様車しか設定のないモデルを9車種投入する予定になっている。

トヨタは昨年、ハイブリッド車を64万台以上販売した。これはアメリカにおける同社の総販売台数の29%にあたる。これに対し、フルEVの販売台数は約1万5000台にとどまった。

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