誤解だらけだった戦略コンサルティング 『コンサルティングとは何か』を書いた堀紘一氏に聞く

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──しかし、事業部門としてやっていけています。

食えている。うらやましい。ああいう仕事の仕方を評価する人が日本にいるのは、それはそれでいい。ただ、彼らは、経営戦略コンサルティングはまったくしない。戦略コンサルティングは、米国生まれのコンセプトをそのまま直輸入して日本に当てはめたマッキンゼーと、日本流にアレンジした和洋折衷のボストンコンサルティンググループ、それに当社の3社が主流。和洋折衷には派手さがないが、結局は効果があるかどうかが決め手になる。

──この6月20日に本社を霞が関に移転しました。

東日本大震災で1カ月ほど遅れた。金融資本主義的な独り勝ちは20世紀の古い概念であり、21世紀は国家と企業体と地域とが一体化して力を合わせて価値を創造していく、新しい形での産業資本主義が復権すると見ている。そこで、とりあえず日本の政府と民間企業とを結び付ける仕事をもっと手掛けようと考えた。中心は先端技術と戦略コンサルティングを融合したものになる。

(聞き手:塚田紀史 撮影:大澤 誠 =週刊東洋経済2011年6月25日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

ほり・こういち
1945年生まれ。東京大学法学部卒業後、読売新聞記者を経て、73年三菱商事。ハーバード・ビジネススクールでMBAを取得後、81年ボストンコンサルティンググループ東京事務所。89年より共同経営者、93年同社日本代表。2000年ドリームインキュベータを設立、社長に就任。06年会長。

『コンサルティングとは何か』 PHPビジネス新書 861円 252ページ

 

 

  

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