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西武HD「ホテル、鉄道より不動産を成長の軸に」 プリンスホテルは資産譲渡、運営受託型に

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西武ホールディングス社長の西山隆一郎氏
西山隆一郎(にしやま・りゅういちろう)/西武ホールディングス社長。1964年生まれ。横浜国立大学経済学部卒業後、87年第一勧業銀行入行。2009年西武ホールディングス入社、執行役員広報部長、経営企画本部長などを経て23年4月から現職。(撮影:大澤 誠)
コロナ禍で大きなダメージを受けた業種として鉄道やホテルがある。その2つの事業を主軸とする西武ホールディングス(HD)は2020年度723億円の最終赤字に転落。ホテルの資産を譲渡してオペレーター専業に切り替えるなどの経営改革を進めてきた。今後の改革と経営戦略について、昨年4月に就任した西山隆一郎社長に聞いた。

──西武HDは事業の大きな柱であるホテル・レジャー事業と鉄道などの都市交通・沿線事業がコロナ禍の影響を大きく受けました。

景気などで需要が変動するホテル・レジャー事業を、安定した都市交通・沿線事業の潤沢なキャッシュフローが支えるという構造が従来はあったが、両方が打撃を受けた。どん底から改革を進め、現在は回復している。ただ、鉄道の定期券収入は戻り切らない。従来の構造を変えなければならない。

総合不動産会社を目指す

──構造改革で注力する事業は。

景気変動の耐性が強いのは不動産事業。これを今後の成長のメインストリームにしていく。これまで不動産事業セグメントはホテルや都市交通より営業利益面で下回っていたが、その比重を高めていく。

22年4月に、従来の不動産会社「西武プロパティーズ」を「西武リアルティソリューションズ(SRS)」に社名変更した。同時に「プリンスホテル」は社名を「西武・プリンスホテルズワールドワイド」に改め、保有していたホテルやスキー場など七十数事業所のうち26事業所をシンガポール政府系のGICファンドに譲渡し、そのほかは基本的にSRSに移してオペレーター専業とした。

西武鉄道の資産も、駅や鉄道に付帯する切り離せない部分以外はSRSに移した。同社にグループの不動産事業を集中し、ノウハウと人材を獲得して総合不動産会社を目指す。

──西武グループは鉄道沿線以外にも軽井沢や箱根など各地に土地を保有しています。これらをどのように活用していきますか。

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