2024年は自分の資産をもっと外貨に換えておこう 世界のGDPは100兆ドル、うち日本はたったの4%

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さらに興味深いのは、中国とインドにブラジルの1.9兆ドル、ロシアの2.2兆ドルを加えると、25.4兆ドルとなってアメリカとほぼ肩を並べる。中国が「BRICS」の枠組みを拡大し、アメリカに対抗しようとしているのは理に適っていると言えよう。逆に西側諸国が、インドとの関係を強化して、中印の離間を図っているのも、これまた戦略として的を射ていることになる。

現在の世界は「天下4分の計」と考えるとわかりやすい

さらに机上の計算を続けてみる。ユーロ圏(14.1)+日本(4.2)+加(2.1)+豪(1.7)+韓(1.7)=23.8兆ドルとなり、これまた世界の約4分の1となる。つまり「その他の先進民主主義国」を全部足すと4分の1になり、アメリカと足してざっくり世界の半分を占める。かつてはG7が世界の半分を占めた時期もあったものだが、アメリカを除くG6(日英仏独伊加)がかろうじて中国とほぼイコール、というのが現下の相場観である。

アメリカが4分の1、その他西側が4分の1、BRIC4カ国が4分の1、すると残りの新興国・途上国がトータルで4分の1ということになり、これらが「グローバルサウス」ということになる。

昨年の国際政治においては、「グローバルサウスを西側と中ロのいずれが取り込むか」がテーマとなったが、これは「天下4分の計」であると考えるとわかりやすい。こういう「ビッグピクチャー」はしばらく変わらないだろう。

こうしてみると、世界経済の景色はかなり変わったことになる。日本経済が「現状維持」を続けている間に、「その他の国々」がぐんぐん伸び続けた結果と言えようか。

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