2024年は自分の資産をもっと外貨に換えておこう 世界のGDPは100兆ドル、うち日本はたったの4%

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最初に気がつくのは、2022年時点で全世界のGDPがちょうど100兆ドルに達していることだ。世界の総人口を80億人として割り算すると、1人当たりでは1万2500ドルとなる。おお、知らない間に世界はずいぶん豊かになったなと、しばし感慨にふける。中国の1人当たりGDPがちょうどそれくらいなのだから、無理もないのである。

日本と比べてアメリカのGDPは6倍、中国は4倍に

過去に遡ってみると、世界のGDPが50兆ドルを超えたのは、たかだか2006年のことである。さらに25兆ドルを超えたのが1992年であるから、ほぼ15年おきに世界経済は2度、倍増してきたことになる。この間、約4兆ドルでほとんど増加しなかった日本経済は、1990年代半ばには円高もあって世界の約17%を占めていたが、現在はただの4%である。これでは国際的なプレゼンスの低下も致し方あるまい。

そんな中で、あっぱれなのはアメリカ経済である。2022年時点で25.5兆ドル、すなわち全世界の4分の1のシェアをキープしている。以前は「アメリカは人口もGDPも日本の3倍」と覚えていたものだが、今では向こうがこちらの6倍強になってしまった。さらにインフレ抑制のために5%超の利上げをしたのに、今年も1.5%成長が見込まれている。

世界第2位の経済大国は中国で、こちらは17.9兆ドルである。日中経済の規模が逆転したのは2009年のことであったが、現在は先方が4倍以上になっている。今後の中国経済は減速が見込まれているが、これだけの規模になるとたとえ3%成長でも年間5000億ドルくらいの付加価値を生むことになる。

ここまで来ると、「わが国は世界第3位の経済大国でございます」と名乗ることがさすがに気恥ずかしく思えてくる。しかもこの第3位は、2024年のIMF予測値でも4.2兆ドルのままであり、この年、4.4兆ドルとなるドイツに抜かれる見込みである。折りからのユーロ高と円安が響いているのであろう。

もっとも日本とドイツはいずれも低成長であり、この3位集団は遠からず3.4兆ドル(2022年)のインドにまとめて抜かれる公算が大である。「世界のG3は米中印」、という日がいずれ訪れることだろう。

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