「カリスマ社長は不要」キーエンス元社長が語る訳 「驚異の高収益・高収入」誇る企業のナゾ初公開

✎ 1〜 ✎ 92 ✎ 93 ✎ 94 ✎ 95
拡大
縮小

「父が倒れ、田舎に帰っていたら、就職活動に乗り遅れた」という佐々木さんが、たまたま求人広告を見つけて、キーエンスの前身、リード電機に入社したのは、1982年のことでした。当時は社員80人弱、売り上げは9億円

そこから、右肩上がりの倍速的な成長を遂げ、今や連結の従業員数は1万580人(2023年3月現在)、売り上げは9224億円(2023年3月期)、そして、社員平均年収は約2300万円と、驚異的な高収益と高収入を実現する超優良企業として、その名をとどろかせています。

その収益性、成長カーブは日本企業の中では図抜けており、たとえば、

時価総額は約15兆円で、日本企業第4位
過去25年間の平均成長率は10%超
営業利益率は54.1%(日本の製造業企業の平均は3.4%)


 停滞する日本企業の中にあっては、まさに「奇跡の企業」と言えるでしょう。

裏も表も知り尽くす「生き字引」的存在

佐々木さんは創業者の滝崎武光氏の後を継ぎ、2000年に2代目社長に就任し、2010年までの10年間で、その成長の礎を築きました。

30年にわたりキーエンスに在籍し、まさにその裏も表も知り尽くす「生き字引」と言える存在ですが、これまでメディアへの登場や、セミナーへの登壇など表に出ることは、ほぼありませんでした。

「会社として取材はほとんど受けなかったし、業界団体にも属さなかった」という孤高で、秘密めいた「キーエンス」とはいったい、どんな企業なのでしょうか。

佐々木さんは創業者の滝崎武光氏の後を継ぎ、2000年に2代目社長に就任した(写真:筆者提供)
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT