年末年始"さんま無双"68歳が依然求められる必然 ダウンタウン、マツコらを寄せつけぬ10特番に出演

拡大
縮小

まず前述した年末年始の特番にスポットを当ててみましょう。

さんまさんはMCを務めるレギュラー番組「踊る!さんま御殿!!」「ホンマでっか!?TV」の年末特番に加えて、年末年始恒例の「ご長寿グランプリ」「明石家サンタ」「明石家紅白」「さんタク」「さんまのまんま」「夢をかなえたろか」に出演。さらに年末年始限定のスペシャルゲストとして、「アメトーーク!」のさんまVS売れっ子若手芸人と「笑ってコラえて!」のダーツの旅にも出演します。

長年、人々を楽しませてきた“年に一度の特番を仕切る大ベテランのMC”でありながら、毎週放送される“レギュラー番組のバリバリ現役MC”でもあり、他のレギュラー番組に特別感を加える“年に一度のスペシャルゲスト”にもなれる。番組内容も役割もバリエーションが豊富であることが、さんまさんの強みを裏付けています。

「アメトーーク!!」さんまVS売れっ子若手芸人(画像:テレビ朝日公式ホームページ)

さんま主催の「忘年会」「新年会」

同じお笑いBIG3のタモリさん、ビートたけしさん。同世代の笑福亭鶴瓶さん、所ジョージさん。ひとつ下の世代のダウンタウン、ウッチャンナンチャン。業界内で称えられているのは、これらの大物たちがMCやご意見番のようなポジションになりがちな中、さんまさんだけは、自らも笑いを取りにいく姿勢を変えないこと。ボケを振り、ツッコミを入れるだけでなく、自らボケ、ツッコミを入れられることも怠らない姿勢が、大ベテランでありながらも強烈な“現役感”を放つことにつながっています。

テレビ業界にとっての年末年始特番は、お祭り騒ぎ。「大いに笑って一年を締めくくってもらおう」という忘年会であり、「年明けのおめでたいムードの中笑いで盛り上がってもらおう」という新年会のようなイメージがあるものです。

キャストには、さまざまな世代のタレントやアーティスト、アスリート、文化人などが集められるだけに、MCに求められるのは、あらゆる出演者とトークを交わせるスキルとキャラクター。その点で今なお、さんまさんほどの適任者はいないようです。

世間では「忘年会も新年会もスルーしたい」という人が増える中、「テレビの中くらいはお祭り騒ぎしてもいいのではないか」と感じている制作陣と視聴者にとってお祭り騒ぎが見られる、さんまさんの年末年始特番は風物詩になっているのではないでしょうか。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT