速報!首都圏マンション「お得度」ランキング 買うならどの駅?「割安な374駅」はここだ
首都圏で昨年1年間に分譲されたマンションの中で、「おトクだった」といえるマンションの最寄り駅はどこか、客観的に測る指標はあるか――。
「マンションPER」(Price Earnings Ratio)とは、「マンション一戸あたりの収益力」を測るために、不動産専門のデータバンク&シンクタンクである東京カンテイが考案した独自の指標。ひらたくいえば、「あるマンションを買ってそれを貸した場合、何年で元がとれるか」を数値で表したものだ。
例えば「PER18倍」なら18年で、同32倍なら32年で元がとれることを意味する。PERの数値が小さければ小さいほど「回収期間」が短い=収益性が良い、というわけだ。
念のためにマンションPERを定義すると、その駅で分譲されたマンション価格を「現在の評価額」、もし貸した場合に得られる月額の賃料を「現在の収益力」と考えて、「マンション価格が月額賃料の何年分に相当するか」を算出したものだ(賃料は変わらないものと仮定。また専有面積30㎡未満の物件や、事例数10未満の駅は除外)。
「首都圏1位」は東京臨海高速の「品川シーサイド」
今回は2014年5月から2015年4月までの約1年間に首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)で分譲された新築マンションをもとに、PERの小さい順にランキングしている。一般的に不動産の分譲価格とマンションPERの関係を考える場合、ひとつの基準は「PER20倍=表面年利回り5%」。ここから税金や諸経費をとられ実際の収益性はもう少し落ちるので、「表面利回り5%」は欲しいところだからだ。
さて、1位は東京臨海高速鉄道の「品川シーサイド駅」でPER16.80倍。もし賃貸にまわした場合、17年弱でおカネを回収できる計算だ。ランキング上位に湾岸地域の駅が目立つのは近年の傾向で、このエリアは物件が比較的豊富だ。だが今回のデータを見るとPER20倍未満の物件数は「15駅」(15位=京急本線の花月前駅)。
東京カンテイの調査によれば、一年前のPER20倍未満の物件は29駅あった。「首都圏のマンション価格が上昇したことで、収益性の高い物件が減少したのは明らか」(井出武・東京カンテイ上席主任研究員)。
また、回収に30年以上かかる物件が増加しているのも特徴で、「PER30倍を超えると一般的には投資対象とは言えない」(同)。
一方、2015年に入ってからは、従来よりも安価な物件が、高尾や淵野辺など東京や神奈川の郊外でチラホラ出てきたという。主な理由は「鋼材価格などの下落で建築コストが当面のピークをつけたことや、郊外で分譲戸数を稼ぎたい業者の事情などによるため」(同)という。
次ページ以降、2014年5月から2015年4月までの1年間、首都圏で分譲されたマンションのうち、上位374駅のランキング(PERの低い順)を掲載する。首都圏のマンション購入や売却などを考える場合の参考にしてほしい。もちろん最寄り駅のPERが高いからといって、「買ったら損をする」ということでは必ずしもない。マンションPERは収益性の観点からの指標であり、住みたい場所に住む満足感は、何にも代えがたいからだ。