「結婚ピーク」は男女ともに27歳という意外な現実 「平均初婚年齢」に惑わされない婚活が重要

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統計的にみれば、30代に入ったならば、相手の女性の年齢(の若さ)ばかり求めている男性は「20代男性との争い」であることをしっかりわきまえて覚悟して活動していただくことになります。同様に、相手の男性のハイスぺ度(年収や社会的地位)ばかりを求めている女性は「20代女性との争い」であることを覚悟することが必要です。

ただ、この女性側の覚悟についてばかりがなぜか強調され、男性側の覚悟は極めて甘く考えられている点が婚活市場のいびつなところである、とも現場からは指摘されています。

同年齢ゾーンでの婚活が基本

婚活をどのように行おうと個人の勝手ではありますが、希望する年齢差で活動の成功率は大きく異なります。統計的にみると夫婦の年齢差は以下のようになっています。

最も多いのは同年齢婚です。そして1歳差までの結婚が全体の半数を占め、3歳差までの結婚で7割を超えます。

つまり3歳差を超えるような結婚を望む方は、性別・年齢を問わず、統計的に見れば「発生が難しい」結婚を望んでいることになりますので、よほどの競争有利な条件を相手(ならびに仲介者に)に提示することが必要となる、という覚悟を持っていただきたいと思います。

ちなみに最初のほうで例示したきゃりーぱみゅぱみゅさんの例でお話しすると、彼女が1993年生まれ、お相手が1995年生まれとのことなので、女性が2歳上の初婚同士の結婚は初婚同士婚全体の5.0%となっています。

そうはいうものの、どちらかが2歳差までの結婚であれば全体の62%となっていますので、彼女のような著名な芸能人女性でも、無理難題となる年の差結婚をされていない(2歳年上妻を選んだお相手の男性の選択についても同様です)ということにもなります。

より多くの結婚希望のある男女が無理難題な年の差狙いの婚活による「婚活疲れによる撤退」なく、運命の人にたどり着くことを祈っています。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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