早稲田の名物誌「マイルストーン」の凄い仕組み化 1・2年生で制作も、四半世紀歴史を繋げた真髄

✎ 1〜 ✎ 48 ✎ 49 ✎ 50 ✎ 最新
拡大
縮小
マイルストーンと言えば、青空と大隈講堂。貴重な過去号が、今も大切に保管されている/筆者撮影

「発売は毎年3月で、サークル内にある販売部署が、取り次ぎを介さずに各書店と直取引をしています。早稲田・高田馬場エリアにある文禄堂、成文堂、芳林堂書店のほか、附属高校の最寄り駅付近の書店にも営業をかけ、自分たちで本を運び込んでいるんです。実店舗での販売がメインですが、一部書店のECサイトで通販も行っています」(藤間さん)

なんと最盛期の発行部数は2万部に上る。学生数が減った現在でも、約2万部を発行し続ける、モンスター雑誌である。

「非公認」ゆえ、忖度なしレビューが可能に

そんな早大生には欠かせない雑誌を発行するマイルストーン編集会だが、実は大学公認サークルではない

マイルストーン紙面
授業の面白さ、単位の取りやすさがレビューされている。人気授業や必修科目は「情報多数」のマークが/筆者撮影

逆に非公認ゆえ、授業の口コミはオブラートにいっさい包まない歯に衣着せぬ内容で、自由度が保たれている。むしろ、一度も公認サークルになることを検討したことはないという。非公認なため、現在は学校内の生協にも置かれていない

「サークルの活動としては、春に新歓合宿、夏にも合宿を行い、公式サイト向けの文章を書いたり、別の冊子を作ったりしてAdobeなどの経験を積み、10月から11月にかけて授業の口コミレビューを集めます。そして、年明けから2月にかけて追い込みをかけ、3月に発売となる流れです」(藤間さん)

次ページ大量の授業口コミを収集する「秀逸な仕組み」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT