ChatGPTでついに「英語」が習得できるようになる シンボル・グラウンディングを活用した勉強法

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この問題をChatGPTが解決してくれる。 英文のテキストだけでなく、日本語訳がほしい場合もあるだろう。また、朗読を聞きたい場合もある。これらは、 テキストを手に入れれば、ChatGT が簡単にやってくれる。 ただし、もとのサイトで これらが得られればもっと簡単だ。「こうした条件を満たすサイトを教えてください」と聞くこともできる。

こうして、丸暗記法を行うための教材を得るのが、著しく簡単になった。私は、丸暗記法の教材のありかを示すウェブのリンク集を作っていたのだが、ChatGPTの出現で、このリンク集は不要になってしまった。

丸暗記法の教材を得るもう1つの方法は、丸暗記する文章を自分で作ることだ。自分で日本語の文章を書き、それをChatGPTに英訳してもらえばよい。なお、この方法は英語を書く訓練にもなる。

シンボル・グラウンディングとは何か

実は、人間は、幼児の時からの様々な体験を通じて、丸暗記法に近い方法で言語を習得しているのである。

例えば、「熱い」という言葉は、実際に高温を感じた経験に基づいて理解される。つまり、「熱い」という言葉や概念が、実世界の対象や状況に「接地」している。あるいは、「月」という言葉の意味は、「あれがお月様だよ」と教えられた時に月を見上げた経験によって理解している。

数学的な抽象概念もそうだ。例えば無限という概念の意味は、長い海岸線を歩き続けたというような体験と関連付けて理解している。

人間が上のような過程を通じて言語を習得していく過程は、「シンボル・グラウンディング」と呼ばれる。日本語で「地に足がつく」というが、それと同じだ。

「シンボル・グラウンディング問題」とは、AIが言語、記号、などの意味をどのように理解するかに関連する問題である。AIは身体を持たないため、人間が行っているように「接地」させることで理解することができない。AIの理解は、言葉や記号の間の関係を理解することによって行なわれる。

次ページ例や比喩でグラウンディングさせる重要性
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