新名所?スーパー「オーケー銀座店」の1つ惜しい点 「安い国ニッポン」に集まる外国人対応は?

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ペットボトル飲料もドラッグストア価格と変わらない安さなので、ランチ救世主としての存在感はある。

こうなったら、カップめんやカップスープ売り場も弁当売り場の近くに寄せて、そこに客をごっそり集めたほうがいい。できれば、コンビニカフェのようにホットコーヒーも売り、イートインコーナーもあると万全だが、そういうスペースは見当たらなかったのが残念だ。

オーケーの会員価格の落とし穴

先に書いたように、このビルにはユニクロやダイソーが入っているので、売り場には外国人客を多く見かける。しかし、オーケーではそうした客が目立つことはなかった。実にもったいない。

例えばドン・キホーテには菓子などの食品を土産用に買い求める外国人客が押し掛けている。安さを打ち出すというなら、ドンキと同じ土俵に立てるはずだ。それに、我々日本人だって海外旅行先で現地のスーパーや市場をのぞいて買い物するのが楽しみという人は多い。銀座で勝負するなら、その強みを生かさない手はない。

ただし、インバウンド客に買ってもらうために足かせになりそうなのが、皮肉なことにオーケーの会員価格だ。会員になると、酒類を除く食料品が3%相当額の割引価格で買える(現金払いのみ)。オーケーの値札には会員・非会員2種類の金額が書かれているのだが、小さな文字で説明書きがあり、一見わかりにくい。

これは訪日客にはハードルが高いだろう。いったい、この商品はいくらなのか?と迷わせるようでは不親切だ。インバウンドを意識するなら、オーケーの値札問題がネックになりそうだ。

オーケーの二宮涼太郎社長(撮影:今井康一)

二宮社長の言葉にある通り、今後インバウンドも意識するというなら、銀座店ならではの売り場づくりもあっていいのではと思うが、残念ながら現状はしごく生真面目なスーパーという印象だ。宝探しのようなワクワク感は感じない。せっかく日本のスーパーに来てもらうからには、日本の食材を紹介するくらいのエンタメ性も欲しいところだ。

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