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東山紀之の社長兼任には利益相反の疑いがあった ガバナンスの専門家が解体的出直しを辛口診断

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旧ジャニーズ事務所と新設会社の社長兼務には無理があった。

青山学院大学 名誉教授 八田進二氏
八田進二(はった・しんじ)/青山学院大学 名誉教授。1949年生まれ。1982年慶応大院商学研究科博士課程単位取得退学。元NHKコンプライアンス委員会委員長。企業統治が専門。(写真:記者撮影)

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『週刊東洋経済』11月11日号では「解体!ジャニーズ経済圏」を特集。タレント帝国の知られざる金庫の中身、不動産の保有実態、ジュリー氏が税金を払わないで済む離れワザ、新設会社に原盤権を移転する際の問題点についてお届けする。

東山氏の社長兼務は利益相反の問題あり

八田進二/青山学院大学 名誉教授

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旧ジャニーズ事務所の資本金はわずか1000万円。個人商店レベルにすぎず、コーポレートガバナンス(企業統治)を熟知した役職員がいないのも当然だ。

旧事務所の社名を変更し、グループ人権方針を策定したりしたが、今後、表舞台に出てくる会社ではないため、ほとんど意味がない。これもガバナンスに精通した人がいないことによるものであろう。

新設会社の社名を公募したが、これも意味がわからない。

社名は、会社の理念や目的を決め、それに見合ったものを、設立に関わる人が定めるもの。それをファンに決めてもらうというのは責任逃れに映る。

性加害が大量発覚した後では、その会社が存在し続けること自体に問題がある。旧事務所は会社を畳むべきだが、清算手続き前にしなければいけないことがある。それは被害者への補償、いわば敗戦処理だ。

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