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安倍政権の本質は、戦時経済への回帰である 野口教授、「ますますアナクロ化していく」

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そうした考えがバブルを引き起こしました。日本人は、その考えが間違いだと思い知らされたはずです。

ところが、この数年、そうした考えが再び広がりつつあります。円安によって、企業の利益は労せずして増加しました。それによって株価が上昇し、「何もしなくても、このままで日本経済は回復する」という、根拠のない期待が一般的になりつつあるのです。

なぜ政府が賃上げに介入するのはおかしいか

さらに、安倍政権は、「産業力増強という裏づけがなくても、高齢化社会を乗り切れる」という幻想を国民に抱かせています。しかし、高齢化社会を乗り切るためには、生産性の高い新しい産業が日本にも登場することがどうしても必要なのです。

では、安倍政権の経済政策によって、それが実現できるでしょうか?

安倍内閣の経済政策の本質は、国の介入を強める方向のものです。本来は民間企業によって決められるべき賃金決定に介入して、賃上げを図ろうとすらしています。

また、中央銀行の独立性に対して否定的な態度をとり、日本銀行による大量の国債購入を通じて国債市場を支配し、金利を異常に低い水準に押しとどめています。

他方で、自由な市場活動のために不可欠である規制緩和は、ほとんど進捗していません。

このような経済政策では、新しい産業の登場を期待することはできません。なぜなら、新しい産業は、市場の競争によって生まれるものだからです。

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【安倍政権はむしろ戦時体制に回帰している】

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