【産業天気図・ガラス/セメント】ガラスは原料高が直撃。セメントは災害復旧特需

ガラスは今期、大手3社とも減益になりそうだ。数量は建築用、自動車用とも堅調だが、誤算だったのが重油など原燃料の高騰。各社とも製品価格の値上げを打ち出したが、不発に終わっている。
 業界最大手の旭硝子<5201.東証>は成長分野の薄型ディスプレーガラス基板こそ拡大しているものの、ブラウン管用ガラスの急激な採算悪化が収益の足を大きく引っ張った。2位の日本板硝子<5202.東証>は営業利益に占める板ガラスの割合が大きく、原燃料高の影響を他社よりも受けやすい。会社側は期初の業績予想を修正していないが、減益は避けられそうにない。3位のセントラル硝子<4044.東証>も医薬中間原料等のファインケミカルは堅調だが、板ガラスの採算悪化が収益を圧迫する。
ただ来期は各社、利益好転が見込めそうだ。板ガラスの採算改善は不透明だが、旭硝子、日本板硝子は薄型ディスプレー関連で収益拡大が期待できそう。また日本板硝子は世界3位のガラスメーカー、英ピルキントンに買収提案をしており、その動向も注目される。セントラル硝子は医薬中間原料、フッ素洗浄剤等のファイケミカルの増産が寄与する。
 一方、セメントは今期は台風・地震による災害復旧特需によって業界首位の太平洋セメント<5233.東証>、3位の住友大阪セメント<5232.東証>とも大きく収益を伸ばした。ただ来期は民需が底堅く推移しても、官需の落ち込みが止まらず、国内セメント需要は再び減少に転じると予想される。各社とも販売価格引き上げや廃タイヤ等の廃棄物燃料利用による利益率の向上に努力するが、補うのは難しく、減益となりそうだ。
【中島順一郎記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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