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キッコーマン「調味料は北米・欧州でまだ伸びる」 「創業家も役員保証なし」の不文律が支える経営

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キッコーマン社長の中野祥三郎氏
中野祥三郎(なかの・しょうざぶろう)/キッコーマン社長。1957年生まれ。慶応大学大学院経営管理研究科修了。81年にキッコーマン入社、経営企画室長やCFOなどを経て2021年に社長COO、今年6月にCEO就任。キッコーマン食品社長も兼任。(撮影:尾形文繁)
日本を代表する調味料・しょうゆを扱いつつ、収益柱は北米などの海外事業。食品業界の成長企業がキッコーマンだ。2022年度の海外売上高比率は7割超を占める。同社は6月に堀切功章会長から中野祥三郎社長へ10年ぶりにCEOが交代。米国赴任の経験もある中野社長に、しょうゆのさらなる可能性と成長戦略を聞いた。

──CEO交代は10年ぶりです。なぜ今だったのですか?

堀切会長がCEOとして経営で全体を見て、私はCOOで執行、主に国内・管理部門を中心に担当してきた。21年には社長に就任している。CEOの交代は指名委員会の決定によるものだが、おそらくコロナ禍で交代の時期が延びたと思う。なぜ今かという理由は、実は知らされていないんです。

──これまで担当してきた業務は。

最初は経理で、代金回収など現場に近い仕事。現場を経験したいと手を挙げて大阪で営業も担当した。1988年には米国子会社に出向した。数字がわかることは強みだが、1人でできることは限られている。役職が上がるにつれて、いかにコミュニケーションをして人に動いてもらうか、というところへと比重が変わってきた。

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